2017年10月17日に一般提供が始まるWindows 10の大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update(開発コード名:Redstone 3)。Fall Creators Updateでは、OneDriveの利用効率を高めたり、Windows Updateで操作不能になる時間を減らしたりと、OSのシステム面に近いところでの機能強化も少なくない。
Fall Creators Updateにおけるシステム関連の変更や強化点には、次のようなものがある。
- 「OneDrive On Demand」でOneDriveとオンデマンド同期
- スマートフォンとのリンク
- タスクマネージャーのGPU対応
- 「パワースロットリング」による省電力化
- Hyper-Vの強化
- Windows Updateの高速化と詳細設定
いずれもCPUやストレージの利用効率の改善や、ユーザーにとって無駄な作業や時間を減らす工夫を施している。以下、それぞれの項目について解説していく。
ローカルの容量を節約できる「OneDrive On Demand」
Windows 10は、オンラインストレージのOneDriveのクライアント機能を標準で搭載している。2017年3月のCreators Update(開発コード名:Redstone2、RS2)までのOneDriveでは、ユーザーが同期したいフォルダーを選択すると、各ユーザーフォルダーの下にあるOneDriveフォルダーとして見えていた。ローカルのOneDriveフォルダーに無いファイルは、同期するフォルダーを追加するか、Webブラウザーによるonedrive.live.comへのアクセスやOneDriveアプリなどを使ってダウンロードする必要があった。
これに対して、Fall Creators UpdateのOneDrive On Demand機能では、OneDrive上のファイルやフォルダーが、あらかじめWindowsエクスプローラー内のOneDriveフォルダーにすべて見えている状態となる。ファイルを開こうとした際に、ファイルがOneDrive上にしか無ければ自動でダウンロードしてくれる。あらかじめファイルやフォルダーをダウンロードしてローカルストレージに保持しておく設定も可能だ。
OneDrive On Demandでは、ファイルがOneDrive側にしか無い状態を「オンラインのみ」のファイル、ローカルにもキャッシュされている状態を「ローカルで利用可能」なファイル、ユーザーが常に同期するように指定したファイルを「常に利用可能」なファイルとして区別する。