ITproマーケティングが開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit Autumn 2017」で、コニカミノルタジャパンのデジタルマーケティング統括部 兼 新規事業統括部 IoT事業推進部 松川 和正氏は、顧客との接点を重視した「Lean Digital Marketing」の考え方を説明した。「BtoB日本企業がデジタルマーケティングを推進するには」と題した講演で、Webサイトを再構築し、データ起点のマーケティングを実践した同社の取り組みを紹介した。
講演の冒頭に松川氏は、2017年夏に発売した、体臭や加齢臭を「見える化」するデバイス「kunkun body(クンクン ボディ)」などを例に挙げながら、コニカミノルタが、既存の製品、販売方法のみならず、新しいアプローチで製品やソリューションを利用者に届けていることを説明。「デジタルマーケティングも、その取り組みのひとつだ」(松川氏)と語り、講演を始めた。
デジタルマーケティングを実践するに当たって同社では「Lean Digital Marketing」をテーマに掲げた。「Lean」には「無駄のない」、「スリムな」という意味があるが、それだけではなく「データを起点に、お客様が本当に欲しいものを届ける取り組みを実践するという意味合いがある」(松川氏)とした。
松川氏は、デジタルマーケティングでは実施した施策の結果が必ずデータで明確になると指摘した。その上で「結果を分析して『学び』、取り組みを継続的に改善していくこと」が大切になる。しかもそのサイクルを「高速に進めていくという意味で『Lean Digital Marketing』をテーマに掲げた」と説明した。
全世界87のサーバを四つに集約
それでは実際にどのような活動をしたのか。松川氏は同社の活動を「Trigger」、「Challenge」、「Expansion」、「Movement」の四つの段階に分けた。
「Trigger」の段階では、コニカとミノルタが経営統合したことを契機に、グループ会社を含めてバラバラに存在していたWebサイトを統合化する取り組みを実践した。
松川氏によれば、統合前は全世界にWebサーバが87もあり、しかも「ワンカンパニー ワンウェブサイト」で、「企業グループとして統一ルールのもとに運営されていなかった」という。つまりは「非効率なサイト運用をしていた」(松川氏)のだ。