20年ぶり、40年ぶりに基幹系システムの全面刷新に挑む企業が相次いでいる。ハードの交換やソフトのつぎはぎといった小手先の延命策ではなく、業務やシステムを根本から見直す動きだ。IoT(インターネット・オブ・シングズ)や人工知能(AI)などの先進的なITを取り込んで競争力を高めるためには、企業活動の中核をなす顧客情報や売り上げデータがぎっしりと詰まった基幹系を生まれ変わらせる必要がある。ただし全面刷新の道のりは険しく、失敗例は少なくない。ズバリ、成功のカギはスリム化にある。要件を絞り、旧システムの無駄をそぎ落として、新システムをシンプルに保つことだ。先進企業の創意工夫を基に、昔も今も、そしてこれからも変わらない刷新の原則を示す。