2017年9月26日にB2B企業向けマーケティングオートメーション(MA)製品「Salesforce Pardot」の日本語版のベータ版を公開したセールスフォース・ドットコムと、そのPardotの取り扱いを10月1日に始めたシンフォニーマーケティングのキーパーソンによる対談の後編を掲載する。
セールスフォースのマーケティング本部 プロダクトマーケティング ディレクターの田崎純一郎氏と同マネージャーの秋津望歩氏、そしてシンフォニーの代表取締役 庭山一郎氏による議論は、セールスフォースの人工知能である「Einstein(アインシュタイン)」の活用や次世代のMAのあるべき姿へと発展した。
豊富なデータで効果を生むAI
庭山さんに聞きます。2014年から日本で始まったMA導入ブームは、現状どうなっているとみていますか。
庭山:MAは日本では2014年、米国では2000年から導入が始まりました。現在の日本は2005年ごろの米国と同じ問題に直面しているように思います。
それはMQL(マーケティング部門が創出した案件)は安定的に供給できるようになりましたが、マーケティングが営業に渡してもSAL(営業が受け入れた案件)にならずに無視されてしまうという問題に直面しています。
この解決のために最も実効性が高いと期待されているのがABM(アカウントベースドマーケティング)やADR(Account Development Representative)です。
日本のユーザー企業に最も多い悩みが、リードスコアリングのルール運用にあります。通常のMAとSFA(営業支援システム)は別々の製品であるため、API(Application Programming Interface)で二つをつなげないと、マーケティングはセールスに渡した後のリードの状況を見られません。
しかしSalesforce Sales Cloud(以降、Sales Cloud)とPardotは一つのデータベースを使うアーキテクチャーであるため、Sales Cloudを使っていればAPIでPardotをつなげるといった苦労がありません。両者を使っている企業は3年くらい近道ができる感覚といえます。