セールスフォース・ドットコムは2017年9月26日、B2B企業向けマーケティングオートメーション(MA)製品「Salesforce Pardot」の日本語版提供を発表した。ベータ版の提供をこの日に始め、正式版は同社の2017年第4四半期(2017年11月~2018年1月)に公開する。そのPardotの取り扱いを、マーケティングオートメーションの導入から運用までを手掛けるシンフォニーマーケティングが10月1日に始めた。
この発表を受け、セールスフォースのマーケティング本部 プロダクトマーケティング ディレクターの田崎純一郎氏と同マネージャーの秋津望歩氏、そして日本国内のBtoBマーケティング分野の第一人者であるシンフォニーの代表取締役 庭山一郎氏の対談を企画した。3人はMAを取り巻く最新状況と日本語化したPardotの可能性、さらに導入企業からの声を中心に意見を交わした。
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)
PardotのUIが日本語でないことは問題視されたのか?
2014年から日本市場に展開してきたPardotを、なぜこのタイミングで日本語化したのでしょうか。
田崎:2014年から少しずつ日本でPardotを紹介してきました。その頃は、英語版のままで受け入れられるか不安視していましたが、2015年から2016年にかけて意欲的な企業が増えてきました。
メニューや各種操作が英語のままでも導入に踏み切る企業は一部にありましたが、日本からは日本語化の要望を本社に伝え続けてきました。
秋津:実際に日本語化に着手したのは2017年の初めで、開発期間は9カ月弱でした。
グローバル市場と比べても日本でのPardotの導入スピードが速く、本社は日本市場の成長性を十分認識していました。
庭山:実際に使い始めたユーザーは、英語版でも問題にしていなかったと思います。ただし、製品選定時の社内りん議でUI(ユーザーインタフェース)が日本語でない点を問題視された可能性は否定できません。
SFA(営業支援システム)分野でのセールスフォースの圧倒的な市場シェアを考えると、本来ならもっと売れていていい製品だと考えていました。