[画像のクリックで拡大表示]

 矢野経済研究所は国内クラウド基盤サービス市場の調査結果を公表した。同市場はIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)とPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を対象とする。

 2018年の市場規模(事業者売上高ベース)は前年比29.2%増の3100億円に達する見通しという。前年比成長率は2017年が33.3%、2016年は42.9%と高い水準で推移している。

 2017年に大手金融機関が米アマゾン・ウェブ・サービスの「Amazon Web Services(AWS)」の採用を発表したのを機に金融業でパブリッククラウドの導入が進み、その動きが他業種へと波及している。オンプレミスとクラウドのハイブリッド活用や、複数ベンダーのマルチクラウド活用も進んでいるという。

 今後は「デジタルトランスフォーメーション」の進展に伴って、人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブシングズ)関連の機能を備えたPaaSが需要を押し上げ、サービス使用量も増えると同社は見ている。エンタープライズ分野のクラウド移行案件の増加に伴って、案件自体が拡大し、クラウドベンダーとユーザー企業が長期的な関係を構築しやすくなるという。こうした状況を背景に今後も高成長を維持し、2021年の市場規模は6500億円に達しそうだ。

 2017年7~8月時点では調査に回答した34社中12社が米マイクロソフトの「Microsoft Azure」の導入を検討していた。国内にデータセンターを設けたり機能を追加したりした点が評価されていると矢野経済研究所は見る。