「IoTを使って何かやりたい」。顧客の漠然とした要望にアイデアを出し、トライ&エラーを繰り返しながら顧客が望む成果を出していくのがIoTエンジニアだ。組み込みやクラウド、ハードウエア、ネットワークといった、IoTシステムの構築に求められる幅広い技術知識は、チーム力でカバーする。

 IoTを使った本格的なシステム構築はまだ始まったばかり。「IoTを使ってみたいが具体的なアイデアはない」。こうした漠然とした要求を形にできるIoTエンジニアが求められている。だからこそ「アイデアをたくさん出せるかどうかやスピード感が重要になる」。ユニアデックスでIoTを使ったシステム構築を手掛ける石原 啓氏はこう話す。

 石原氏はこれまで、DBや仮想化の導入支援、金融業向けの大規模プロジェクトなど、企業向けシステムの本道を歩んできた。IoTにかかわるようになった途端、「白シャツにスーツを着用して通勤していたのが、半袖シャツで海の家に通うなど、仕事が大きく変わった」(同氏)。

 IoTの適用分野は多岐にわたるため、現場の理解が大切になる。石原氏は、実際にIoTを適用する場に足を運んで観察することを重視している。海の家に通っていたのも、海の家のトイレのIoT化を支援していたためだ。

 トイレは最近、IoT化の需要が多い分野だ。病院であれば長時間出てこない場合にアラートを飛ばす、駅であれば効率よく利用してもらうなど、業種業界によって導入目的が大きく異なる。こうした細かい要望の違いは、顧客に尋ねても分からない。「現場を観察したのち、どのような使い方が最も効果的かを顧客に提案していく」と石原氏は話す。

 顧客が完成形をイメージしにくいため、IoTプロジェクトの進め方はスモールスタートで効果を確かめながら拡大していくケースが多い。その際、スピード感が重要になる。IoTプロジェクトのオーナーは、顧客企業のビジネス部門の担当者が大半を占める。通常のシステム構築プロジェクト以上に「早く作って効果を実感してもらうことが重要」と石原氏は強調する。

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