ロボット向けにアプリケーションを開発するのがロボットエンジニア。利用シーンを想定して台本を書き、ロボットの仕草によって与える印象などを考えながら開発する。相次ぎ新しい人型ロボットが登場するなど、技術進化の激しい分野だ。

 「いらっしゃいませ。今日の用事は何ですか」。人型ロボットを、店頭の販売促進活動や企業の受付などで頻繁に見かけるようになってきた。ソフトバンクロボティクスの「Pepper」やヴイストンの「Sota」のように企業が手軽に利用できるロボットも増えている。このロボットを操作するアプリケーションを開発するのが、ロボットエンジニアだ。

 ヘッドウォータースの松山玄樹氏もその一人。これまで、金融機関の店頭受付や販促用といったロボットのアプリケーション開発を手掛けてきた。よしもとロボット研究所と共同で、吉本興業のお笑いのノウハウを生かしたPepper向けのアプリケーション開発プロジェクトを経験したこともある。

 松山氏は、ロボット向けアプリケーションの開発を「通常の開発フローが通用しない世界」と表現する。ロボットエンジニアにとって、ロボットはデバイスだ。しかし企業向けシステムで扱うデバイスとは大きく異なる。

 その一つが、アプリケーション開発時に、ハードウエアの動きを一体として考える必要があることだ。「こんにちは」とロボットに挨拶をさせる場合、手を挙げるのか、おじぎをさせるのか、声のトーンは落ち着いたものにするのか、高いものにするのかなどで、受け手の印象は全く異なる。「こんにちは」とディスプレイに文字を表示させるだけの場合とは異なり、考える要素が非常に多い。

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