<早読みダイジェスト>

  • BI(Business Intelligence、ビジネスインテリジェンス)は、組織内の膨大なデータを経営上の意思決定などに利活用するための技術やサービスのこと
  • 企業内の事業部門にはIT部門のサポートを得ることなくデータを活用するニーズが高まっており、こうした利用を手助けするソフトウエアが増えている
  • IT部門が提供する「従来型」、ユーザー自身が必要な画面や帳票を作る「モダン型」、最低限の統計知識を理解している人が使う「高度分析」の三つに分類できる

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 データを分析して得られるビジネスインサイトは経営層のためだけのものではなく、現場の担当者にとっても不可欠なものだ。ビジネスを進める上で不可欠なものになったBI(Business Intelligence)。長年にわたり、IT部門はビジネスにおける様々な意思決定支援を目的にBI環境の整備に取り組んできた。

 その一方で、事業部門の担当者にはIT部門のサポートを得ることなく、自由にデータを活用したいというニーズが高まっている。BIを取り巻く市場環境に加え、歴史的背景や現在のトレンド、そして今後のBIの展望について解説する。

BIの最新トレンドと主なベンダー

 BIと呼ばれるソフトウエアの定義を見ると、Gartnerでは「Analytics and Business Intelligence Platforms」という分類で「アプリケーションへのアクセスや分析、意思決定とパフォーマンスの改善と最適化を可能にするソフトウエア」と定義している。Forrester Researchは「Enterprise Business Intelligence Platforms」として「分析、レポート、パフォーマンス管理、および情報配信からなる情報管理プロセスのアウトプットを活用するソフトウエア」と説明する。

 両社のBI市場についての評価は、“IT部門主導のレポーティング”から“事業部門主導のアナリティクス”へのシフトが進行しているという見方で共通している。このトレンドを踏まえ、ガートナージャパン リサーチ マネージングバイスプレジデントの堀内秀明氏は「現在のデータ分析には三つのユースケースがある」と述べた。

従来型BI

 「従来型BI」とはIT部門が提供し、事業部門のユーザーが使う形態のBIである。IT部門は事業部門にヒアリングをして、必要なデータを集め、要望に応じた画面を設計し、できたものを提供してきた。代表的なベンダーはIBM、Oracle、SAPで、いずれもBIに必要な一通りの機能をパッケージ化したBIスイートを提供している。

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