不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」を運営する、不動産情報サービス大手のLIFULL(ライフル、旧ネクスト)は住宅メーカーなどに向け、VR(バーチャルリアリティー、仮想現実)を使った建て売り住宅の販促支援ツール「GRID VRICK」を開発、2016年5月から提供を始めた。新居の間取りや家具のイメージをレゴブロックとVR(バーチャルリアリティー、仮想現実)で再現。一生に一度の買い物を後押しする役割を担う。
ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)には米オキュラスVRの「Oculus Rift」を採用した。開発費は人件費含め約2000万円。住宅メーカーなどにレンタル・販売して収益化する方針だ。
HMDが映し出す間取りや家具は7色のレゴブロックを並べて組み立てる。ブロックの色と形には、外壁や窓、ドア、キッチン、ベッドなど住宅の要素をひも付けてある。
例えば「突起が2個5列並んだ青ブロックはキッチン」といった具合だ。販売担当者が顧客と商談しながらブロックを組み立てると、上部のカメラでブロックの色や並びを撮影・解析し、CGで新居の内部を生成する。
本人の身長や日当たりなどを細かく設定できるため、HMDの映像は入居後の映像にかなり近い。ブロックは子どもの興味を引くため家族連れにも好評で、会話が弾むという。
「建て売り住宅は完成まで間取りや家具の配置をイメージしにくい」。LIFULLグループ経営戦略部事業開発グループの徳山隆氏は住宅販売現場の長年の悩みをこう話す。