今どきの学生は企業をどのような理由で選ぶのだろうか。「IT業界就職人気ランキング」における志望理由ごとのランキングを見てみよう。
研修に定評の富士通エフサス
調査では「会社の魅力」「仕事の魅力」「雇用の魅力」の3分野を用意。分野ごとに選択肢を設けて学生に選んでもらった。例えばサイボウズの場合、同社を志望する学生のうち38.0%が「経営者・ビジョンに共感」を志望理由に選んだことを表す。
このランキングは採用活動を通じて企業が学生に対し、自社の特徴をうまく伝えられているかどうかを測る指標となる。「教育研修に熱心そう」では富士通エフサスが5年連続で首位を守った。「製品・サービスの内容が分かりやすい」ではぐるなびが4年連続でトップ。これらの企業は学生に対して上手にアピールしているとみなせる。
コンサルティング/総合研究所でトップに立ったアクセンチュアは「成長性が高そう」でも首位になった。「実力があれば若いうちから活躍できそう」「年収が高そう」でも3位につけており、学生に対するアピールに成功しているといえよう。
アクセンチュアは2019年卒学生の選考活動を3回に分けて実施し、2018年3月末で完了したという。早期の選考により優秀な人材を確保する狙いだが、「力試しで受けた学生が一定数いるとみており、ミスマッチが生じる恐れがある」と長谷川氏は懸念を示す。
そこで同社はインターンシップや説明会、Webセミナーを活用して、学生のつなぎ留めと同時に会社を正しく理解してもらうよう努めている。3~5日間のインターンシップではコンサルティングやエンジニアの仕事を疑似体験するプログラムを用意。400人ほどが参加した。
業界展望のほか、過去のプロジェクト事例を解説する時間を設けた。遠方の学生や忙しい学生のために2017年からは都市部だけでなく、地方大学でも学内説明会を開催。学生とのコミュニケーションを図りつつ、どのような説明や情報が求められているのかを探った。得られた知見を採用活動に反映したことも同社がランクアップした一因となったようだ。