「AWSを使い始めたら、最初はAWSにネガティブだったITエンジニアのマインドが、AWS推進派へと変化した」――。日立物流は2017年5月31日、アマゾン ウェブ サービス ジャパン主催の年次イベント「AWS Summit Tokyo 2017」で講演し、Amazon Web Services(AWS)に触ったこともなかった2014年時点から現在のクラウドファーストへと変化した軌跡を紹介した。

日立物流の情報基盤統括部で部長補佐を務める田代肇氏
日立物流の情報基盤統括部で部長補佐を務める田代肇氏
(撮影:渡辺 慎一郎=スタジオキャスパー)
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日立物流ソフトウェアのシステム事業統括本部ネットワークソリューション部で部長を務める吉田佑一郎氏
日立物流ソフトウェアのシステム事業統括本部ネットワークソリューション部で部長を務める吉田佑一郎氏
(撮影:渡辺 慎一郎=スタジオキャスパー)
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 同社は、グローバルで利用していた在庫管理システム「Global Warehouse Management System」(GWMS)を、日本にあるオンプレミス(自社所有)環境からAWSに移行した。従来システムは、自然災害の発生によって出荷停止に陥るリスクや、ネットワークの遅延によって出荷遅延が起こるリスクがあった。移行に当たっては、オンプレミス、AWS、日立グループのクラウド基盤という三つの環境を比較検討した。

 2014年8月にAWSの東京リージョン(データセンター群)から利用を開始し、現在では四つのリージョンで約200個のEC2インスタンス(仮想マシン)が稼働している。システムは、EC2のほか、ロードバランサーのApplication Load Balancer(ALB)、リレーショナルデータベースのRelational Database Service(RDS)、通知サービスのSimple Notification Service(SNS)など、AWSのサービスだけで構成している。仮想マシンイメージのAMI(Amazon Machine Image)とRDSのリージョン間コピー機能を利用し、リージョンを横断したDR(災害時復旧)サイトを構築、可用性を高めている。

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