アイ・ティ・アール(ITR)は2017年9月21日、国内におけるオンラインファイル共有市場の規模の推移と予測を発表した。 2016年度の売上金額は77億8000万円で、前年度比16.7%増となった。ほぼ全てのベンダーが売上げを伸ばしており、2桁以上伸びたベンダーが半数以上にのぼる。
ITRでは、データの置き場所や運用形態の違いによって、オンラインファイル共有製品を、「クラウドストレージ型」と、オンプレミスの「物理ストレージ型」の2つのタイプに分けている。物理ストレージ型とクラウドストレージ型を合算した市場のCAGR(2016~2021年度)は、12.9%を予測している。
クラウドストレージ型は、スマートデバイスからのファイル利用や取引先とのファイル交換など、クラウド環境であることによるアクセス性の高さや、比較的低コストでの導入が可能であることなどから、需要は継続的に高まっている。また、先進的な企業を中心にファイルサーバーのリプレース手段としての利用も進みつつある。
一方、物理ストレージ型は、クラウドストレージサービスと連携させ、疑似的なファイルサーバー統合を実現するための機能を備えたものがあり、ファイル管理の一環としての導入が広がりつつある。
オンラインファイル共有市場が伸びる背景には、スマートデバイスの普及や通信速度の向上、ワークスタイル変革へのニーズの高まりなどがある。外出先や自宅環境からファイルを利用する需要が高まっている。さらに、電子メールの添付ファイルの制限を超えたファイル授受の手段として、あるいは各種業務アプリケーション間を連携させるためのハブとして、オンラインファイル共有が業務に浸透しつつある。
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