IDC Japanは2017年8月28日、2016年の国内システム管理ソフト市場の実績と、2021年までの予測を発表した。2016年の国内システム管理ソフト市場の規模は、前年比4.6%増の3279億6900万円となった。2021年には4179億円に達すると予測している。

 仮想化やクラウド化によってITシステムが複雑化する現象に対応するため、ITリソースやパフォーマンスの監視ソフトや、ログ分析ソフトなどのような、新たなシステム稼動監視ソフトを導入する企業が増えている。これが、2016年における市場成長の主要因の1つとなった。また、運用工数の削減や運用ミスの軽減を図ることを目的に、運用プロセス自動化ツールの販売も好調だった。

国内におけるシステム管理ソフト市場の売上額予測(2016~2021年)
国内におけるシステム管理ソフト市場の売上額予測(2016~2021年)
(出所:IDC Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 2016年のベンダー別の売上額シェアでは、富士通がシェアトップを獲得した。2位に日立製作所、3位にNEC、4位にIBM、5位にマイクロソフトが続いた。高い成長を達成したベンダーとしては、仮想化システム管理ソフトを提供する6位のヴイエムウェア(VMware)と、ログ分析ソフトウェアを提供する11位のスプランク(Splunk)がある。

 2017年の国内システム管理ソフト市場は、前年比5.3%増、2016~2021年の年間平均成長率(CAGR)は5.0%で成長するとIDC Japanは予測している。複雑化するシステム運用の最適化を図るため、システムの可視化や運用の自動化に対するソフトへの投資を継続させ、システム管理ソフト市場は堅調な成長が続くとIDC Japanはみている。

<プレスリリースへ>