IDC Japanは2016年7月11日、国内におけるCRM(顧客関係管理)市場を調査し、2015年の同市場の分析と2016年~2020年の予測を発表した。国内CRM市場を「コンタクトセンターアプリケーション市場」「カスタマーサービスアプリケーション市場」「マーケティングアプリケーション市場」「セールスアプリケーション市場」の4つの機能市場に分類し、それぞれの市場について個別に市場予測を行った。

国内CRM市場予測(2015年~2020年)
国内CRM市場予測(2015年~2020年)
(出所:IDC Japan)
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 2015年の国内CRM市場は、前年比8.9%増の800億8900万円になった。2015年は、クラウドサービスが市場の中心である「マーケティングアプリケーション市場」と「セールスアプリケーション市場」の2つが市場成長をけん引した。

 マーケティングアプリケーション市場は、消費者がデジタル化へと進行したことや、オムニチャネルを活用した取引が進行したことによって、デジタルマーケティングの需要が拡大した。これにより、前年比19.2%増の高成長を達成した。

 セールスアプリケーション市場は、既にアプリケーションを利用しているユーザー企業がアプリケーションを更改する際にユーザー数を拡大したことや、これまで導入していなかった中堅中小企業へのタッチポイントが拡大したことなどが要因となり、前年比11.6%増の成長を遂げた。

 IDC Japanの予測によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進行や顧客情報のビッグデータ/アナリティクス需要、CRMアプリケーションとバックオフィスアプリケーション連携需要などの要因によって、CRM市場の2015年~2020年の年間平均成長率は5.3%となり、2020年には1039億2300万円になる。