IDC Japanは2017年5月9日、国内データセンター事業者のデータセンター投資予測を発表した。建物/電気設備/空調設備などの新設および増設にかかる投資額を調査した。新設および増設投資は2017年に減少した後、2018年には増加に転じる見込み。

国内事業者データセンター新設/増設投資額予測(2016年~2021年)
国内事業者データセンター新設/増設投資額予測(2016年~2021年)
(出所:IDC Japan)
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 国内事業者のデータセンターの新設および増設投資は、拡大と縮小のサイクルを繰り返す。2016年は拡大局面にあたったため前年比76.7%増の1517億円だったが、2017年は縮小期にあたるため、投資額は前年比47.3%減の799億円となる見込み。

 2018年になると、東京都内および大阪府内を中心に大規模なデータセンター新設が複数予定されており、新設および増設投資は再び増加に転じるものとみられる。2018年のデータセンター新設/増設投資額は、前年比61.2%増の1288億円となるとIDC Japanは予測している。

 今回の予測は、昨年(2016年4月)の予測を上方修正した。昨年の予測では、建設コストの高騰によるデータセンター投資の手控えが起こるとしていたが、建設コストは2015年後半から緩やかな下降傾向が続いている。これが追い風となって、新設/増設については積極投資に転じる事業者が増えている。

 データセンターの建設投資を拡大させる要因として、電力キャパシティの増大に注目すべきとIDC Japanは考えているという。例えば、クラウドサービスの基盤として利用されるデータセンターや、人工知能やディープラーニング(深層学習)といった新たなテクノロジーを利用したサービスを提供するためのデータセンターでは、従来よりも大きな消費電力に耐えうる設備が求められている。