IDC Japanは2017年12月11日、国内データセンター向けネットワーク機器市場の2016年の実績と予測を発表した。2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR)は1.3%であり、低成長時代に突入していることが明らかになった。製品分野別で見ても、いずれも大きな成長は見込みにくい。最も市場規模が大きいデータセンター向けイーサネットスイッチ市場は、2016年~2021年のCAGRが2.4%であり、以前の高成長と比べると、成長は鈍化している。

国内データセンター向けネットワーク機器市場 支出額予測、2015年~2021年
国内データセンター向けネットワーク機器市場 支出額予測、2015年~2021年
(出所:IDC Japan)
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 企業ITシステムのクラウドシフトの動きを背景に、パブリッククラウドやプライベートクラウド向けが市場をけん引するものの、クラウド以外の需要減少が成長を抑制する。クラウドシフトの影響はADC(Application Delivery Controller)市場にも表れ、2016年~2021年のCAGRは0.8%となる。クラウドサービスが提供するADCaaS(ADC as a Service)への需要移行がADC市場の拡大を阻害する。

 国内データセンター向けネットワーク機器市場は低成長時代に突入したが、同市場のリーダーであるシスコシステムズは、高いシェアを維持し続けている。また、F5ネットワークスも、ADC市場においてリーダーの地位を保っている。データセンター向けイーサネットスイッチ市場では、近年、市場で注目を集めているベンダーが引き続き成長した。エクストリームネットワークスに統合されたブロケードコミュニケーションズシステムズとアリスタネットワークスは、2016年の国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場でシェアの拡大に成功している。

 今回の発表は、IDC Japanが発行した『国内データセンター向けネットワーク機器市場予測、2017年~2021年:データセンター向けイーサネットスイッチとADC』(JPJ41782617)で詳細を報告している。本レポートでは、国内のデータセンター向けイーサネットスイッチとADCに関する2021年までの市場規模を予測している。また、『国内データセンター向けネットワーク機器市場シェア、2016年:データセンター向けイーサネットスイッチとADC』(JPJ41788117)では、2016年のデータセンター向けネットワーク機器市場におけるベンダーシェアとベンダー動向を分析している。

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