この連載では、筆者らが所属するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATジャパン)のIT部門が、日本で独自にIT戦略を進める「ローカルIT」から全世界のIT戦略に基づく「グローバルIT」へと、どのように舵を切ったかを説明している。
第1回ではIT組織、第2回ではプロジェクトの進め方、第3回ではITインフラを中心に取り上げた。
今回はBATでのグローバルITとローカルITの関係について説明する。
リージョン単位でIT投資・予算管理
まずBATのIT組織の全体像を確認しておこう。2回で掲載した図を再掲する(図1)。
グローバルIT組織は、本社がある英国に置いている。主要なアプリケーションやITインフラのサポートベンダーの選定、基幹システムの刷新といった、グループ全体に関わるITの意思決定をここで行う。
BATでは世界各国をリージョンという地域に分けている。リージョン組織は、国をまたぐプロジェクトのポートフォリオ管理やIT投資・予算管理を担う。筆者はアジア太平洋リージョンのITプランニングを担当しており、日本を含む約20カ国のIT部門を支援している。