「固定電話」の仕組みが2024年に一変する。NTTグループが加入電話やISDNのコアネットワークをIP網に切り替える計画だからだ。

 光回線やモバイルブロードバンドが普及するなかで固定電話の契約者は急速に減っている。だが、企業が使う通信インフラとしては今なお現役だ。金融や流通小売をはじめとした様々な業界の企業システムを支えている。

 固定電話のIP化はどのように進み、企業にどんな影響があるのか──。それを知るにはまず、企業や家庭からNTTの局舎まで引かれている通信回線と、NTTが固定電話サービスを提供するための通信設備を分けて考える必要がある。

 今回の施策で大きく変わるのはNTT側の通信設備だ。全国に張り巡らせた交換機のネットワーク「PSTN(公衆電話交換回線網)」を、ルーターやサーバーで構成するIPネットワークに切り替える。

 現在のPSTNは主に、市町村などの単位で設置し企業・家庭からのアクセス回線を収容する「加入者交換機」と、都道府県単位で設置して県内や県外への通信を中継する「中継交換機」の2階層構成になっている。どの回線からどの電話番号にかけたかといった情報を管理する信号交換機もある。これらの交換機が発信側と受信側の間に1本の論理的な回線を設定し、占有することで通話を実現する。

NTT局舎内の加入者交換機
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