全5回の本連載では、第1回はデータドリブンの視点でBtoBマーケティングをリデザインする話、第2回は見込み客への営業効率を高める話、第3回は精度の高いターゲティング方法の話、第4回は名刺データの電子データ化の話をしました。

 最終回となる今回は、自社で集めたハウスリストをSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)を使って、営業部門やマーケティング部門で利用できるデータにする方法について話をします。

 企業から個人へ(BtoC)の一般消費者向けの販売では、企業はブランド力と機能や価格などを訴求して個人の興味と関心を喚起し、その記憶を購買につなげようとしています。それが企業と企業(BtoB)の法人相手の販売になると、会社や担当者への信頼性、商品の拡張性が重要となり、ブランド力と機能や価格は二の次となると考えられています。

 読者の中には、法人営業は担当顧客をルートで回れば受注できるというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それほど容易なものではありません。

 一般に購買行動プロセスが長いBtoBで、相手先から選ばれるまでには、いくつかのハードルがあります。訪問した営業員が取引先企業の担当者や責任者と信頼関係を築けなくては、受注には至ることはありません。

 では、信頼を得るために必要な情報とは何でしょうか?営業員が欲しいデータとは、取引先企業のことをよく知ることです。例えば「相手先企業の事業内容や最新ニュース」や「これまでの営業経過やコンタクト履歴」です。

 営業員が取引先企業の情報を事前に把握することで、取引先企業の担当者や責任者から信頼を得るチャンスが生まれ、「個人対個人」の折衝を経て、「企業対企業」の契約に至るのです。

 あなたの会社では、営業員に対して取引先企業の情報(「取引先企業の事業内容や最新ニュース」や「これまでの営業経過やコンタクト履歴」)を事前情報として提供できていますか?

 以下では、取引先の企業情報と個人リードの正しい共有方法と利用方法について説明していきます。

SFAは営業員のための支援システムになれるか?

 SFAは、「取引先企業の最新情報」「営業員の折衝結果などの日報管理」「案件の進捗と受注見通し」を管理できるシステムです。経営者にとってはとても魅力的な機能を備えています。

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