この10年で、BtoBマーケティングの世界が大きく変わっています。

 名刺データの電子化や、Webサイトでの情報発信などで顧客に自分から来てもらう「インバウンドマーケティング」の浸透、メールを活用したマーケティングオートメーション(MA)への取り組み、使いやすいSFA(営業支援システム)への進化など、インターネットやシステムを活用した営業活動の効率化が実現できる状況になってきました。

 一方では、古くからあるテレマーケティングやダイレクトメール(DM)送付といった、顧客を呼び込む「アウトバウンドマーケティング」の手法も多く使われています。

 さらに今後はIoT(Internet of Things)の普及でますます各種のデータが増え、ビッグデータ化が進みます。データが増えていく中で自社のマーケティングでは、どのデータを整備・活用して、システムをどう組み合わせればよいのでしょう。こうした課題を「データドリブン」の観点から見直します。

 既にWebサイトやシステムを導入することで、営業活動を効率化できた企業も存在しています。しかしMAを導入するだけで、営業効果が上がり受注が増えるのでしょうか。そんなことはありません。

 システムに入力されるデータは、ユーザー自身が集めるものです。そのデータの集め方や精度、その活用方法の違いで、システムが生み出す効果には大きな差異が出ます。場合によっては、システムそのものは安くシンプルなのものでも十分で、自社の営業ノウハウを活かせるデータの選択と活用方法を実装できれば効果を発揮できのかもしれません。

 本連載では、「データドリブン型B2Bマーケティング」というテーマで、ユーザーにとって一番大事なデータをどう活用したらよいかを書いていきます。

8種類あるBtoBマーケティングで扱うデータ

 最初にBtoBマーケティングで扱う主なデータの種類と現状の課題を列挙します。

(1)対象市場の規模

【データの種類】
 自社商品の販売先市場の大きさを推定します。使用する統計データには、経済センサスや各種の民間調査データなどがあり、販売対象となる業種や会社規模などから社数と販売金額を推定していきます。

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