法人向けWindows 10 Mobileスマホ「HP Elite x3」は、オプションのデスクドックなどを組み合わせることで、デスクトップ端末として使用できる(関連記事:「スマートフォンなのにデスクトップPCになるとはどういうことか」)。ただしデスクトップ端末として使う場合も、アプリケーションはあくまでWindows 10 Mobileのものである点に注意が必要だ。

 Elite x3は、WindowsパソコンとはCPUが違い、アプリケーションにも互換性がない。しかし現状では、Windowsでしか動作しない業務アプリケーションを使っている企業も多数ある。

Windows用アプリはVDIから利用

 Elite x3でWindows用アプリを操作する策として、HPはVDI(Virtual Desktop Infrastructure)を提案している。VDIはデータセンターや本社などのサーバー上でWindowsを稼働させて、その実行画面だけをクライアント端末に転送する仕組みである。データがElite x3側にダウンロードされないようにすることも可能であるため、情報漏洩対策としても有効だ。

 HPはElite x3の発売に合わせて、「HP Workspace」と呼ぶVDIのサービスを開始した。Workspace用のクライアントアプリは、Elite x3にインストールされている。

 今回のレビューでは、Workspaceベータ版のテスト用アカウントで試用した。Workspaceは、HPのデータセンターでWindowsを動作させて、その画面をElite x3に転送する。ただしストレージはHPのデータセンターにはなく、外部のクラウドストレージサービスを使う設計になっている。複雑に思うかもしれないが、業務データを保管するストレージを自前のストレージを使えると考えれば済むため、管理面やセキュリティ面では利点もありそうだ。

図1●HP Workplaceの利用構成。PC本体がある場所とストレージがある場所は異なる
図1●HP Workplaceの利用構成。PC本体がある場所とストレージがある場所は異なる
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