MVNO(仮想移動体通信事業者)による新手の端末の修理補償サービスが増えている。中古スマートフォンなど、MVNO自身が販売していない端末でも、契約したMVNOサービスでの通信記録があれば、修理を請け負う補償サービスだ。

写真1●回線につなぐだけで端末補償する新手のサービスの先駆けとなった、ニフティが2016年2月に開始した「NifMo あんしん保証 for SIMフリー」
写真1●回線につなぐだけで端末補償する新手のサービスの先駆けとなった、ニフティが2016年2月に開始した「NifMo あんしん保証 for SIMフリー」
出所:ニフティ
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 国内のMVNOで先行したのは、ニフティが2016年2月に開始した「NifMo あんしん保証 for SIMフリー」(写真1)。端末に同社のSIMを挿入して90日以内の通信記録があれば、月380円で原則どのメーカーの端末も補償対象とする。しばらくは国内唯一のサービスだったが、2016年7月にビッグローブが競合サービスを投入してから一気に増えた(表1)。

表1●MVNOが提供する主な中古端末の修理補償サービス
表1●MVNOが提供する主な中古端末の修理補償サービス
出所:テレコムインサイド2016年11月号 p.9
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 いずれのサービスも、携帯電話事業者から購入し、MVNOに乗り換え後も使っている端末や、リユース店などで購入した中古端末、新品で購入したSIMロックフリー端末など、入手ルートを問わず補償対象になる。

 MVNO各社が狙うのは、携帯電話大手各社と契約したスマホをそのまま利用してMVNOに乗り換えるユーザーだ。携帯電話大手各社は自ら販売した端末の修理や交換補償サービスに注力してきた。例えばNTTドコモが提供する「ケータイ補償サービス」は加入率60%弱と高水準に達している。

 携帯電話大手各社との契約終了時に、これらの補償サービスも切れてしまう。iPhoneなど高機能なスマホの場合、画面割れや水没などの修理費は「実費で数万円に達することも多い」(携帯端末の修理業者)。MVNOに乗り換える際の「見えない障壁」の一つと考えられている。新たな修理補償サービスによって、こうした不安を取り除くという狙いがある。

金融庁への照会で「保険に該当せず」、一気にサービスが広がる

 2016年に入って新たな修理補償サービスが相次いで登場した背景には、実は金融庁が示した新たな判断があった。

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