「新しいCIO(最高情報責任者)が社長決裁直前の稟議書を破ってAmazon Web Services(AWS)に踏み切った。破った稟議書は某社のデータセンターを使う内容だった」「AWSの導入に対し周りの98%は敵だった」

 2017年3月11日に開催されたAWS最大のユーザーグループによる年次イベント「JAWS DAYS 2017」で、「本当の敵は社内にいる!?~攻める情シスが吠える座談会~」と題したセッションが実施された。AWSを導入したユーザー企業4社の情報システム部門の実務担当者が、クラウド時代におけるユーザー部門との調整や、ベンダーとの付き合い方について議論を交わした。

ユーザー企業4社の情報システム部門の実務担当者が登壇
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 登壇者は、フジテック 情報システム部 主務の松本紘直氏、旭硝子 情報システム部 電子・基盤技術グループの久保田有紀氏、KDDI 技術統括本部 プラットフォーム開発本部 アジャイル開発センター フレームワークグループ 課長補佐の大橋衛氏、某自動車メーカーの情報システム部門に所属する石井大河氏だ。

基幹システムの担当者は10分の3で済む

 最初のテーマは「クラウドに移行して社内はどう変わった?」。旭硝子の久保田氏は「長年ホストで稼働していた基幹システムを、AWS上に再構築することが決まった。トップダウンでの決定だった」と振り返った。

 AWSへの移行により「インフラ運用のつらさはほとんどなくなった」(久保田氏)と効果を挙げる。一方、「基幹システムの面倒だけを見ている情報システム担当者は、例えば10人いたのが3人で済むようになる」と警鐘を鳴らす。同氏は「これからの情報システム担当者には、IoT(インターネット・オブ・シングズ)やビッグデータなど、新しい領域に関心を持つ事業部門の担当者を掘り起こす営業能力が求められる」と語った。

 フジテックの松本氏は「当初は某社のデータセンターを使うつもりだったが、新たに着任したCIOが社長決裁直前の稟議書を破り、AWSの導入に踏み切った」と話す。AWSの個人アカウントを使って、スモールスタートで試行錯誤を重ねたという。「いろいろ試し過ぎてクレジットカードの請求が高額になったが、使える手応えを感じた。上司の理解があったので進めやすかった」(同氏)。

左からフジテック 情報システム部 主務の松本紘直氏、旭硝子 情報システム部 電子・基盤技術グループの久保田有紀氏
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