全ての企業にとってデータの活用とその管理の両立が、喫緊の課題となっています。増加し続ける顧客接点を連携させユーザーのデータを最新に保ちながら一元的に把握してビジネス活動に適切に活用することと、それらのデータを高まり続けるセキュリティとコンプライアンスの要請に応えながら合理的なコストで管理することの、整合性をしっかり取る必要があるのです。

 これらの課題に対処するために海外で注目が高まっている手法に『カスタマー・アイデンティティ・マネジメント(CIM)』があります。本連載ではCIMの考え方を下敷きに、企業が意識しておくべき顧客データ管理のあり方を、いくつかの側面から論じていきます。