ITproマーケティングが開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit 2017 Siring」で、ソフトブレーン本社営業本部 営業1部 部長 柿崎太郎氏は、自ら営業部門を率いている立場から、営業とマーケティングの連携の重要性を説いた。「マーケティングの効果を最大化する営業の仕組みづくりとは~両部門の連携を強化する3つのポイント~」と題した講演では、“ターゲットと決着をつける”ために「アタックリスト」を自動生成する意義を解説した。

ソフトブレーン 本社営業本部 営業1部 部長 柿崎太郎氏
ソフトブレーン 本社営業本部 営業1部 部長 柿崎太郎氏
(撮影:都築雅人)
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予算達成というゴールを定め
そのために必要なリード数を明確にする

 講演の冒頭、柿崎氏は所属するソフトブレーンについて紹介した。柿崎氏は、「ソフトブレーンは東証一部に上場している企業の中で唯一『営業の課題解決』、つまり営業現場に根付いた事業を展開している企業だ」と説明する。

 その視点に立つと、マーケティング部門からのリードをどう売り上げに結びつけるかも営業部門が抱える課題の一つといえる。柿崎氏は、「マーケティング部門から来たリードを営業部門は『どのようにやりきればいいのか』。それをお話しする」と述べ、講演を始めた。

 柿崎氏は、多くの企業が抱えている課題として、生産性の向上を指摘した。生産性といっても、製造部門や営業部門、マーケティング部門によって、それを測る指標は異なるだろう。営業部門であれば、有効面談の件数、商談の規模(単価)、成約率、そして商談期間やリードタイムなどから考えると分かりやすい。

 それでは、マーケティング部門の生産性とは何か。「ホットリードを何件、営業部門に渡せるか。案件数は生産性の非常に重要な指標の一つとなる」(柿崎氏)。

 柿崎氏は、「全社的に目標の予算を達成できない場合、営業部門は既存顧客から新たな案件を創出するか、新しい顧客を開拓する」と説明する。「予算達成のためにどのくらい新規開拓しなければならないのかという『ゴール』を把握し、そこから『リードをどれだけ創出しなければならないのか』をしっかりと数字に落とし込むことが重要だ」と強調した。

新規顧客開拓が「うまくいかない」
その三つの理由とは

 ただし、多くの企業では新規顧客の開拓は簡単ではない。柿崎氏は、「うまくいかない理由は三つある」と指摘する。「まずは、『新規開拓の時間がない』、次に『新規の行く先がない』、そして『新規の情報がない』だ。これが営業の現場が抱えている課題」だとした。

 それでは、時間を作るためにはどうしたらいいのか。柿崎氏は「営業の頭の中身を『見える化』すると、既存のお客様対応や会社への報告業務、売り上げの登録などが9割を占めている」と指摘する。「新規を開拓しなくてはならないのは分かっているが、優先順位が低くなりがち。これではせっかく来たホットリードもやりきれない。会社としてどうやってやらせるかという仕組みを作ることが重要」と示した。

 続けて、仕組みを作るとして柿崎氏は「営業部門がやりきるためのアポイントの取得状況をリアルタイムで『見える化』することが大切」と言う。「これは、ソフトブレーンでもやっているし、我々が取り引きしているお客様企業にもこの手法を伝えている」(柿崎氏)。

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