欧州SAPのERP(統合基幹業務システム)パッケージを使って基幹系システムを構築している約2000社のユーザー企業が憂鬱な事態に直面している。あと7年のうちに必ず基幹系システムを刷新しなければいけないからだ。それまでに、ユーザー企業は新製品である「S/4HANA」に移行するか、SAP製品の利用を止めて基幹系システムを再構築するか、決断しなければならない。

 AI(人工知能)の活用やデジタル化など、基幹系システムを刷新する際に考慮する課題も増えている。SAPのシステム構築を手掛けるコンサルタント不足を懸念する声も多く、予定通りに基幹系を刷新できる保証はない。SAPユーザーが今、何を考え、今後どうするべきか。関係者への取材を基に徹底検証する。