前回は文化を変える5つの柱のうち「失敗から学び成長を加速する」の前編をお伝えした。この原稿を読んでいない方は、先に下のリンクにある記事を読んでいただいた方がいいだろう。
- 変革を邪魔するものは何か?
- 自らを破壊するリーダーシップ
- 共感するコミュニケーション
- 失敗から学び成長を加速する←今回もコレ
- 顧客目線をインストールする
今回はその後編となる。
失敗すると誰だってくじける
「失敗ではない、成功への投資だ!」
「失敗は成功の反対じゃない、失敗を恐れて何もしない方がリスクは大きい」
「失敗を恐れず、失敗を受け入れ、失敗から学び成長する文化を作れ」――。
こういくら口を酸っぱくして言ったところで、一夜にして会社の文化が変わるわけではない。
失敗をすると、誰だってくじけるし、落ち込んでしまう、だから「もう2度と失敗しないようにしよう」などと思ってしまったりする。
特にお節介な第三者が「やぁやぁ、失敗したね」などとはやし立てようものなら、もはや、失敗から学ぶどころではない。失敗しないようにすることが、本来の目標よりも大きなゴールになる。そしてどうすればうまくできるか、どうすれば失敗を回避できるかと考えるようになると、リスクを取らずに安全で確実な方法を選ぶようになる。
そうした中で失敗をしようものなら、学ぶどころではなくなる。失敗を隠すか、無視するか、なかったことにしてしまったりする。
これでは負のスパイラルだ。その結果、人間は自分を守るために自分に対して嘘をつくようになり、
「それは失敗ではない」
とスティーブ・ジョブズではないが、現実をゆがめるフィールドを作ってしまったりする。いやほんと、よくある話だ。