前回は文化を変える5つの柱のうち「失敗から学び成長を加速する」の前編をお伝えした。この原稿を読んでいない方は、先に下のリンクにある記事を読んでいただいた方がいいだろう。

  1. 変革を邪魔するものは何か?
  2. 自らを破壊するリーダーシップ
  3. 共感するコミュニケーション
  4. 失敗から学び成長を加速する←今回もコレ
  5. 顧客目線をインストールする

 今回はその後編となる。

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失敗すると誰だってくじける

 「失敗ではない、成功への投資だ!」
 「失敗は成功の反対じゃない、失敗を恐れて何もしない方がリスクは大きい」
 「失敗を恐れず、失敗を受け入れ、失敗から学び成長する文化を作れ」――。

こういくら口を酸っぱくして言ったところで、一夜にして会社の文化が変わるわけではない。

 失敗をすると、誰だってくじけるし、落ち込んでしまう、だから「もう2度と失敗しないようにしよう」などと思ってしまったりする。

 特にお節介な第三者が「やぁやぁ、失敗したね」などとはやし立てようものなら、もはや、失敗から学ぶどころではない。失敗しないようにすることが、本来の目標よりも大きなゴールになる。そしてどうすればうまくできるか、どうすれば失敗を回避できるかと考えるようになると、リスクを取らずに安全で確実な方法を選ぶようになる。

 そうした中で失敗をしようものなら、学ぶどころではなくなる。失敗を隠すか、無視するか、なかったことにしてしまったりする。

 これでは負のスパイラルだ。その結果、人間は自分を守るために自分に対して嘘をつくようになり、

「それは失敗ではない」

とスティーブ・ジョブズではないが、現実をゆがめるフィールドを作ってしまったりする。いやほんと、よくある話だ。

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