前回の記事の最後に「経営者のあなたが取るべきアクション」を説明したが、覚えているだろうか?
売り上げに貢献するためにお客様の何を知っておくべきか
さて前回は、筆者の在籍したGEヘルスケア ライフサイエンス事業統括本部で、営業部門がWeb会議システムや社内SNSを使いこなし始めたところまでを解説した。しかし、その営業部でもSFA(営業支援システム)の導入と運営には最後の最後まで苦しんだ。今回は日本だけではなく、グローバルでの経験も交えてSFAへの取り組みを伝えたい。
SFAの基本は、引き合いや商談を管理するだけで、従来EXCELに入れていたのと同じ情報しか入れていなかった。このため、入力の手間がかかるSFAは、営業部門では使い勝手が悪く、面倒な存在だった。
月例営業会議では、営業がSFAに入力した引き合いデータをいったんEXCELにダウンロードして、その画面をプロジェクターで投影しながら、皆で今月の売り上げ予測をしていた。それを見た営業が「何のためにSFAに入力するのか?」と不思議に思うのは当然だ。
外資系企業の宿命として、本社が決めたプラットフォームやフォーマットやルールには無条件で従わねばならないことはよくある。とはいえ営業担当者としては、できるだけ入力しないで済ませたい。
しかも現実にはSFAに入力しなくても、自分で案件管理ができるので、そもそも使う理由がない。誰のためのSFAかといえば、マネージャーが営業活動の進捗管理をするシステムでしかなく、現場の営業にはメリットが全くなかった。営業担当者の誰もが使いたがらないのは当然の話だ。