さて、前回の記事の最後に「経営者のあなたが取るべきアクション」をお願いしたが、覚えているだろうか?

 あなたがすべきは、三つの「デジタル化の本質」である「つながる、探せる、シェアできる」を駆使して、「RFP(提案依頼書)を作る、はるか以前」のお客様に「見つけてもらって」つながる戦略を指示し、「選ばれる」ために「お客様の満たされていないニーズ」を探れと指示するだけだ。

 きっと、あなたはアクションを取ったことだろう。しかし、いきなりはうまくいくとは限らないので、今回は具体例をシェアしたいと思う。

 その前に、この連載のミッションを再確認しておきたい。「読者がB2Bマーケティングを導入し、実行し、結果を出せるチカラを育てること」と「経営者に読ませる」ことだった。

 本連載ではいたずらに手順や方法やノウハウを教えることはしない。求める答えは自分で探してもらうことになる。

 そう、この連載は読んで何かを学ぶものではない。あなたは読んで考え、まず行動し、失敗から学んで、また考えることで力をつけるしかない。そこに近道などはないのだ。

 今回の具体例はあくまで、私がいた業界でのほんの一例に過ぎない。そっくり真似をしてもあなたの会社でうまくいくはずがない、と覚えておいてほしい。

「つながる、探せる、シェアできる」文化に変える

 前回は、つながること、探せること、そしてシェアできることで、コミュニケーションの主導権が企業から顧客へと解放され、民主化されたという話だった。もはやB2B企業による情報とコミュニケーションの独裁は終わったのだ。もう、元に戻ることはないだろう。民主化は逆行しないのだ。

 そう、三つの「デジタル化の本質」である「つながる、探せる、シェアできる」を顧客が駆使することでコミュニケーションの主導権を握ったのなら、我々にできることは、顧客と同じように「つながる、探せる、シェアできる」を駆使して、顧客と対峙するしかない。だからと言って主導権を取り戻せるというわけではない。そんな簡単な話ではない。

 そのために、まずするべきことは、あなたの会社の文化を「つながる、探せる、シェアできる」に変えることだ。そう、ツールでも戦略でもない、文化を変えるのだ

 本来は企業の文化を変えるのは経営者であるあなたの仕事である。もしもあなたが経営者でなかった場合、文化を変えることが営業やマーケティングの仕事か?と疑問に思うかもしれない。

 この際、それが誰の仕事かはどうでもいい。文化を変えない限りB2B企業が「つながる、探せる、シェアできる」を駆使できないのだとしたら、それが誰の仕事であろうが、気が付いた人が文化を変えればいいだけだ。

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