インターネットは元々軍事技術だった──。こう考えている人は少なくないだろう。この説明に根拠がないわけではないが、あまり正確ではない。
インターネットの原型となるアイデアがアメリカの研究者達の間で発案され、それを実現するための予算として米国防総省高等研究計画局(ARPA、現在はDARPA)の資金が使われた。こうして誕生したネットワークが「ARPANET▼」である。当初四つの組織をつないだARPANETが拡大され、今のインターネットへ発展した。
ARPAが関わっていたために軍事技術だといわれることがあるが、ARPAは多くの研究プロジェクトに資金を提供している。すべてが軍事目的というわけではない。インターネットもこのような多くの研究の一つとして生まれたにすぎない。
このインターネットの運用は、「技術の標準化」「資源管理」「ネットワークの管理」の三つの視点で答える必要がある。
技術の標準化は、インターネットで世界中の人々が通信するために必要だ。インターネットにつなぐ全員が同じ通信方式を使わなければならない。この標準化作業はIETF▼が行っている。IETFには世界中のエンジニアが参加し、新しい技術の提案や改良について議論している。ここで合意された方式が世界中のインターネットで利用される。
▼ARPANET
Advanced Research Projects Agency Networkの略。1960年代に開発された。
Advanced Research Projects Agency Networkの略。1960年代に開発された。
▼IETF
Internet Engineering Task Forceの略。
Internet Engineering Task Forceの略。