エンタープライズアプリケーション

業務パッケージでもAI

「基幹系」と「AI」の意外な関係

2017/03/21

島田 優子=日経SYSTEMS

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 会計や販売、生産、人事など業務を支える基幹系システムや、基幹系の周辺にある業務システムにAI(人工知能)を取り入れようとする動きが加速している。後押しするのは、相次ぎ登場するAIを取り入れた基幹系システム向けのパッケージソフトやSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)だ。ワークスアプリケーションズのERP(統合基幹業務システム)「HUE」や、米マイクロソフトのERP「Dynamics 365」のように、既に利用できる製品やサービスも登場し、基幹系などの業務システムにAIを活用しやすくなっている()。

企業名AIを取り入れた代表的な製品・サービス名概要
欧州SAPSAP Clea機械学習を取り込んだアプリケーションのブランド名として「SAP Clea」を2017年1月に発表。会計、採用、マーケティングなどの領域で機械学習を取り入れたアプリケーションを提供予定
米オラクルAdaptive Intelligent Applicationsクラウドサービスの利用データに加え、SNSやPOSといった社外のデータを分析し、ERPやCRMなどのアプリケーションに組み込んで提供する。第一弾製品としてコンバージョン率の向上を支援する「Offers」を今後、提供予定
米セールスフォース・ドットコムSalesforce EinsteinSaaSにAIを組み込むコンセプト「Salesforce Einstein」を2016年9月に発表。営業支援やマーケティングなど8領域のアプリケーションで、2017年春のバージョンアップからAIを取り入れた機能の提供を本格的に始める
日立ソリューションズリシテア/AI分析人事パッケージ「リシテア」に蓄積したデータを、AIを使って分析する機能を組み込む新ソフトを提供。「組織ストレス予測サービス」を2017年2月に、「組織パフォーマンス診断サービス」を5月に販売開始予定
米マイクロソフトDynamics 3652016年11月に提供開始したERP「Dynamics 365」に機械学習を中心としたAIを活用する機能を搭載。「リレーションシップインサイト」「需要予測」などの機能が過去の同様の機能と比較して高い精度で利用できるようになった
ワークスアプリケーションズHUE2015年12月に提供を始めたERP「HUE」で順次、AIを使った機能を提供中。PDFをマウス操作で取り込む「Magic Paste」や、予測分析を使った入力支援機能などのほか、特定のスキルを持った人を探す「タレントサーチ」機能などを提供
米ワークディRetention Risk、Customer Collectionsなど2014年から機械学習を取り入れたアプリケーションの提供を開始。2017年3月に提供予定の最新版では、ユーザーが自らデータを分析したり、活用したりできる「Platform」の提供を始める

 ERP最大手の欧州SAPは2017年1月、AIの要素技術の一つである機械学習を取り入れたアプリケーション「SAP Clea」を発表した()。提供時期や形態などの詳細は明らかになっていないが、請求書と支払いを自動的に照会する「SAP Cash Application」や、多数の応募者の中から希望する業務にマッチした人を探し出す「SAP Resume Matching」など、複数のアプリケーションを用意している模様だ。

図●欧州SAPが「SAP Clea」を紹介するWebサイト
[画像のクリックで拡大表示]

 CRM(顧客関係管理)領域のSaaSを提供する米セールスフォース・ドットコムは2017年春に提供を始める新バージョンから、同社のAIのコンセプトである「Salesforce Einstein」を取り込んだサービスの提供を本格化する。「AIの要素技術を提供して『どうぞ使ってください』ではない。明確に用途が分かるように、アプリケーションに組み込んで提供することが特徴だ」とセールスフォース・ドットコム マーケティング本部プロダクトマーケティングの御代茂樹シニアディレクターは説明する。

日本のパッケージベンダーも追従

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出典:ITpro 2017年 2月 20日
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

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