作業エリアが広すぎて全員の動きを把握できない─。そんな悩みを抱える現場監督者は多い。富士通周辺機はビーコンを使って、倉庫内を動き回る作業員やフォークリフトを捉えられるようにした。

富士通周辺機はビーコンを使ってピッキング作業の動きをデータ化している。ビーコン端末は全て富士通製
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 富士通の100%子会社でスマホや携帯電話を生産する富士通周辺機は2015年5月、これまで工場周辺に分散していた部品倉庫を1カ所に集約した。最新の物流機器などを導入して物流作業を効率化したり、倉庫と工場を往復するトラックの配送効率を高めたりするためだ。

 ところが、「広さも天井までの高さも経験したことのない規模だった」(深澤澄第一事業部主席部長)ため、現場監督者が現場の状況を把握しづらくなってしまった。例えば、新しい倉庫では天井の高さを生かして同社としては初めて、多段式の保管棚を導入した。ところが、「以前の小規模だった倉庫に比べて見通しが悪くなり、始業時の立ち上がりの様子を見渡せなくなってしまった」(深澤主席部長)。

 解決のため導入したのが、ビーコンで作業員の動きを捉えるシステムだ。作業員はビーコン発信機の「バッチ」を装着して作業する。バッチはユニークなIDを発信するので、これを天井に取り付けたビーコン受信機の「ロケータ」で受信し、作業員の位置を特定する。位置情報をリアルタイムに、倉庫内のエリアマップに重ね合わせて倉庫内に設置した大型モニターに映し出す。現場監督者は作業員の所在と動きをひと目で把握できるようになった。

 続いて同社は、ビーコンをピッキング作業の改善に活用することにした。2016年9月に実態を調査し、全体の業務時間の50%しかピッキング作業に費やしておらず、移動やパレットの受け取りなどに費やす時間が長いと分かったからだ。

 「かなり低い数字で驚いた。ビーコンを使った動線分析で課題が見つかるのではないかと考えた」と、深澤主席部長は説明する。実際に動線分析したところ、広くて天井の高い倉庫ならではの課題が見えた。

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