設立20周年を迎えたヤフーが、データ分析力の強化に力を入れている。目的は、次の20年間の成長をにらみ、顧客一人当たりの単価を上昇させること。データ分析で得た知見から、顧客ごとに適切なサービスを訴求し、複数サービスの利用を促すことで実現する。

 ヤフーでは、同社のサービスを一つだけ利用している顧客を「ユーザー」と呼び、二つのサービスを使っている顧客は「カスタマー」と言う。三つ以上のサービスを使う顧客は「ファン」と定義する。「ユーザーからカスタマーへ、カスタマーからファンになっていただくことが、当社の新たな挑戦だ」。宮坂学代表取締役社長(写真1)はこのように語る。

写真1●ヤフーの宮坂学代表取締役社長
写真1●ヤフーの宮坂学代表取締役社長
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 顧客一人当たりの単価上昇について、ヤフーがこだわるのには理由がある。「海外進出を考えておらず、国内の事業に集中」(宮坂社長)するからだ。同社は既に全サービスの月間総PV(ページビュー)数は700億、1日のユニークブラウザー数は9000万という、国内トップクラスの顧客数を抱えており、今後の顧客数の大幅な伸びは期待できない。顧客数の頭打ちが見えている中、ビジネスを拡大させるには必然的に顧客一人当たりの単価を伸ばす戦略にならざるを得ないのである。

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