日経コミュニケーションは2016年7月から8月にかけ、毎年恒例となっている「企業ネット/ICT利活用実態調査」を実施した。対象は国内の上場企業3586社。企業におけるICT利活用の実態を探るべく、スマートデバイスを中心としたモバイルをはじめ、WAN、セキュリティ対策、クラウドなどに関する取り組みを聞いた。
個々の製品やサービス、トレンドについて、どれくらいの企業が導入しているのか。さらには、どういった通信事業者やベンダーを採用し、どの程度のコストをかけているのか。購入価格や通信料金をはじめ、企業ネットの実態を定量的に把握するための情報を網羅した。
クラウドサービスの利用は順調に伸びている。特にアプリケーションをネット経由で利用する「SaaS」は利用中の企業が44.3％に達した。ただし、2015年調査に比べた伸び（利用中の企業）はわずか1.1ポイントにとどまった。
標的型攻撃をはじめとした脅威の拡大を受け、企業のセキュリティ対策意識は大きく変わりつつある。2014年にベネッセホールディングス子会社、2015年に日本年金機構、2016年にJTBで大規模な情報漏洩事故が相次いだことも後押ししている。
WANサービスの市場は2011年以降、大型の新サービスが登場していない。完全な成熟期に入っている。サービスごとの導入率では順位の変動があった。
企業におけるスマートフォンやタブレット端末の導入は堅調に伸びている。採用状況を見ると、端末メーカーはアップルの独り勝ち、通信事業者は携帯電話大手3社が中心という状況に変わりない。ただ、スマートデバイスの導入拡大に伴い、モバイル全般の通信料金は増加傾向がみられる。
企業におけるスマートフォンやタブレット端末の導入は堅調に伸びている。採用状況を見ると、端末メーカーはアップルの独り勝ち、通信事業者は携帯電話大手3社が中心という状況に変わりない。ただ、スマートデバイスの導入拡大に伴い、モバイル全般の通信料金は増加傾向がみられる。