「ITインフラSummit 2017」のソリューション講演に、米ネットスカウトでアジアパシフィック地域を統括するAmit Rao氏が、ネットスカウト システムズ ジャパンの杵鞭俊之氏と登壇。無線LAN技術であるWi-Fiを企業が活用する際の課題と、Wi-Fiに関する同社製品を説明した。

米ネットスカウト Asian Pacific Region General Manager Amit Rao 氏
米ネットスカウト Asian Pacific Region General Manager Amit Rao 氏
ネットスカウト システムズ ジャパン チャネルアカウントマネージャー 杵鞭 俊之 氏
ネットスカウト システムズ ジャパン チャネルアカウントマネージャー 杵鞭 俊之 氏

 Wi-Fiは、企業のビジネスインフラとしても急速に普及し始めている。無線LANアクセスポイントさえ設置すればケーブルやそのほかネットワーク機器の取り扱いが不要な上に、スマートフォンなどのモバイル機器でも利用できる点が評価されているためだ。ゲストユーザーが簡単に利用できるというメリットもある。

 しかし、「有線LANと異なり、圧倒的に技術者が不足していることが大きな課題」とRao氏は指摘する。電波で通信するWi-Fiには、有線LANにはない特有のトラブルがある。電波を反射しやすい素材を使った壁や調度品などがあると、通信が安定しなくなる、あるいは電子レンジやBluetooth機器、コードレスフォンなど、同じ周波数帯を利用する無線通信との干渉が起こるといったトラブルだ。

 これらのトラブルはアクセスポイントとユーザーの位置に依存するため、ユーザーが一歩動くだけでも大きく状況が変わるケースもあり、トラブルの原因を特定するのが難しい。同社の調査では、Wi-Fiのトラブルが発生した際に、解決に向けての標準的なプロセスが定まっている組織は28%にとどまるという。

 同社が提供する「NETSCOUT AirCheck」は、Wi-Fiのトラブルシューティングを効率化するための製品だ。スマートフォンを一回り大きくしたような見た目で、ボタンを押すだけでWi-Fiネットワーク(IEEE 802.11 b/g/n/a/acに対応)の状況を自動的にテストできるのが大きな特徴だ。

 専門家でなくても、チャンネルの利用率や信号強度、ノイズといった情報を可視化できる。どのようなテストを実施するかは、ユーザーがあらかじめ指定できる。このほかに同社は技術者向けとして、無線通信のサーベイソフトを搭載した専用端末「同AirMagnet」も提供。こちらは、タブレットのような見た目だ。

 Rao氏は、Aircheckを実際に導入している小田急電鉄の事例を紹介。同社は2013年4月から、全70駅において「公衆無線LAN(Wi-Fi)サービス」の提供を開始し、300台強のアクセスポイントを導入した。

 この導入・運用に当たって、同社はAircheckを導入。サービス開始時には、多数のアクセスポイントの稼働状況を確認するのにAircheckを利用した。その後は、ユーザーから「つながりが悪い」「遅い」といった声が上がった際に、ネットワークの状況を確認するために利用している。

 「誰もが使える」「持ち運びが容易」「瞬時かつ確実な情報の取得」「即時のレポートが可能」といった点が、Aircheckを選定するポイントになったという。

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