ドキュメントの多くは、ソースコードと同様に成果物の一つとなる。そして保守フェーズにおいて機能の追加開発などを行う際、ソースコードの変更と同期して、ドキュメントをメンテナンスすることが重要になる。仕様書とソースコードが乖離すると、保守しにくくなってシステムの運用コストが膨れ上がってしまうためである。

 短期間で開発してこまめに改修を続ける開発スタイルの普及に伴い、ドキュメントもソースコードと同様に適切にバージョン管理し、着実に更新していく必要性が高まっている。それにはドキュメントをプログラムのように開発し、プログラムのように管理すると都合がよい。つまり、「ドキュメント開発」だ。

 典型的なのが、テキスト形式(Markdown記法など)のドキュメントを作成者がGitサーバーにドラフト版として登録し、レビューアーに確認依頼を発行するスタイル。レビューおよび修正作業が完了後にプロダクション領域にマージし、さらにJenkinsの機能によってHTML化とWebサーバーへのデプロイを自動実行するといった仕組みにする。この新しいやり方が、国内や欧米の先進的な開発現場を中心に急速に浸透しつつある。