プレゼンテーションで動画を活用すると、あなたの「プレゼン力」は大きく上がります。30分のプレゼンテーションなら3カ所、60分で5カ所に動画を使うのが理想です。動画の尺(長さ)は2分以内が基本です。
動画が流れているとき、プレゼンテーション中のあなたには余裕が生まれます。お客様が数人で参加している商談なら、動画をスタートさせてから、手元に出されたお茶を飲んで落ち着くことができるはずです。そして誰が真剣に聞いているかを確認し、次の話の展開を頭の中で整理しましょう。
大人数が参加している講演会なら、動画の活用はさらに効果を発揮します。まず壇上から会場全体を見回し、参加者全体の雰囲気を冷静に感じ取れるようになります。
そして積極的に聞いている参加者の中から、自分にとっての「ペースメーカー」になる人を探します。会場の右側、中央部、左側という3カ所に、それぞれペースメーカーを配置します。こうするとペースメーカーとなる人に視点を当てるたびに緊張感が抜け、話しやすくなります。
そして動画の再生中には時計に目をやり、時間を確認できます。どんな素晴らしいプレゼンテーションをしても、時間が極端に長かったり、短かったりすると興ざめしてしまいます。
話の前半に動画を加えると、余裕が生まれ、頭の中が整理できます。そして、緊張感がほぐれ、タイムマネージメントが楽になります。
もちろん参加者にも、メリットがあります。最新技術や施設、コンセプトなど言葉や絵だけでは伝わりにくい内容を、短く整理された動画として組み込んでもらったほうが理解しやすいからです。
一方的に同じトーンで話されるよりも、動画を使うと目先や雰囲気を変えられます。受講者の集中力を高められ、眠気冷ましにもなります。
動画を使った最高のプレゼンテーション
2013年9月7日アルゼンチン・ブエノスアイレスのIOC(国際オリンピック委員会)総会。2020年のオリンピック開催地として、東京が選ばれたときのプレゼンテーションは印象的なものでした。*参考動画: YouTube:Presentation by Tokyo, Japan
このプレゼンテーションでは、持ち時間45分の中に4本の動画を活用しています。動画の内容を確認したところ下記の通りでした。
- 100秒(感動、コンセプト、ブランディング)
- 230秒(会場紹介)
- 210秒(日本紹介)
- 90秒(感動、コンセプト、ブランディング)
最初の動画は、プレゼンテーションが開始されてから、8分過ぎあたりにでてきます。日本の海辺にある原っぱで少年が一人、バスケットをしています。ボールがリングにはさまってしまい、途方に暮れる少年。それを遠征中のバスからたまたま見ていた外国人の選手たちが助けます。