早いもので4月も中旬となりました。日本では約70%の企業が4月に新年度を迎えます。
そんな季節に合わせるかのように、動画に関わる様々な問い合わせが私たちの会社に届きます。特にこの時期に多いのは、新年度最初のイベントとなる、5月から6月に開催する展示会でプロモーションに使う動画です。
展示会場ブース前で見られる営業の壁
BtoB企業のプロモーションで、毎年予算化されるほど重要な施策となっているものに「展示会への出展」があります。都心のホテルのほか、東京ビッグサイトや東京国際フォーラム、幕張メッセといった展示会場などが主会場となって、いくつも開催されています。特に人気のイベントともなれば、通勤ラッシュのような人混みになります。
最近の展示会にある傾向の一つとして目に付くのは、出展各社が動画の活用を増やしていることです。筆者はイベントに参加するたびに各社のブースを確認していますが、IT業界では50~60%近くが、製造業でも20~30%のブースで、なんらかの動画を利用しています。
ここ最近のトレンドは、「比較的高い位置にディスプレイを置いて動画を投影すること」です。こうしてブースから遠いところにいる来場者からも、動画が目に入るようにしているのです。
展示会には、2種類の来場者がやってきます。明確な目的を持った上で参加している人たちと、市場調査という名目で何となく参加している人たちです。
その一方で展示会には、ブースの前に営業やコンパニオンをずらっと並へ、来場者の名刺を1枚でも多く獲得しようと躍起になっている会社があります。しかし明確な目的を持つ参加者にそのブースが対象でないなら、そのまま素通りするでしょう。
何となく参加している人は、ブースの前に立っている営業担当者と目を合わせることもなく、足早に通り過ぎるケースが多いかと思います。まるでブースから発せられる営業の圧力を避ける導線があるかのように歩きます。ひょっとして、ブース前に立ちはだかる「営業の壁」が、新しい出会いを阻害しているかもしれません。
展示会場ブースでの動画の活用
動画のよいところは、「営業の壁」を感じない遠くの場所からでも、来場者が何となく目線を注げる点です。そして人は「動いているもの」に反応する傾向があるため、数多くの看板やパネルがある中で動画の存在自体が他のブースとの差異化要因となるのです。
筆者は、これまでブース前に営業担当者をずらりと並べて対応していた会社に、「営業の壁」を外す代わりに会社やサービスを紹介する動画を投影したディスプレイを5台ほど並べてもらったことがあります。営業担当者には、来場者がブース前の動画を15秒くらい視聴した後に、横から声をかけてもらうようお願いしました。