2016年10月25日の米アップルのスマートフォン決済サービス「Apple Pay」の日本上陸で話題の中心となったのが、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「Suica」への対応だった(写真1)。

写真1●「Suica」と「Apple Pay」のロゴをあしらったポスター
写真1●「Suica」と「Apple Pay」のロゴをあしらったポスター
(出所:JR東日本)
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 従来のSuicaカードや「おサイフケータイ」版の「モバイルSuica」と同等の機能・利用範囲を確保しつつ、iPhoneへのタッチでカードを取り込めるようにするなどの付加価値をつけた(関連記事:iPhoneでのSuicaサービス開始、3つの注意点)。Suicaの機能はスマートウオッチ「Apple Watch Series 2」でも使える(関連記事:Apple Watchで使うSuicaは便利だがトラブルにも遭遇した)。

 Apple Pay版のSuicaに様々な付加価値を持たせたJR東日本側の狙いは何だったのか。IT・Suica事業本部業務推進部の齊藤正浩次長に話を聞いた。

Apple Pay版モバイルSuicaのサービス開始から2カ月近くたった。

齊藤氏:初動は極めて好調だ。モバイル会員数の増加に顕著に表れている。

 Apple Pay開始前の2016年9月末時点のモバイルSuica会員数(従来型携帯電話、Androidスマートフォンを含む)は約381万人だった。10月25日にApple Payのサービスが始まり、その後、11月末時点のモバイルSuica会員数(従来型携帯電話、Androidスマートフォン、Apple Payを含む)は約410万人に伸びた。約29万人の増加分の多くをApple Payが占めると見ている。

 2016年3月までの1年間(12カ月)の会員数の伸びは約17万人だった。「モバイルSuica10周年キャンペーン」を実施した効果も含まれる。実質1カ月ほどでこれを上回ったので、大きな手応えを感じている。

 会員数は最初の1週間ほどで急増した。今は落ち着いているが、それでも前年同期の伸びを大幅に上回っている。早期にAndroid版モバイルSuica会員数に追いつくことを期待している。

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