楽天が実店舗決済サービス「楽天ペイ(旧称楽天スマートペイ)」で攻勢をかけている(写真1)。米スクエアなどに似たスマートフォン接続型クレジットカード決済端末からスタート。2016年10月にはQRコード決済サービスを始め、2017年には電子マネー対応や中国のQRコード決済サービス「微信支付(WeChat Pay)」への対応などを次々と打ち出し、多機能化を進める。

写真1●楽天本社前にある「楽天カフェ」に掲げられた「楽天ペイ」のロゴ(右端)
写真1●楽天本社前にある「楽天カフェ」に掲げられた「楽天ペイ」のロゴ(右端)
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 楽天が狙うのは、中小の飲食やサービス業などの店舗における決済市場の取り込みだ。楽天ペイの決済端末(写真2)は9800円(税込み、条件付きのキャッシュバックあり)。別途、金額を入力し決済処理を行うためのスマートフォン/タブレットが必要になるが、既にこれらを導入している店舗にとっては導入しやすい。決済代金は楽天銀行なら最短翌日に入金され、資金繰り面でのメリットが大きいことも訴求する。

写真2●「楽天ペイ(旧称楽天スマートペイ)」のクレジットカード決済端末
写真2●「楽天ペイ(旧称楽天スマートペイ)」のクレジットカード決済端末
(出所:楽天)
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 楽天ペイの決済手数料率は3.74%(JCB、Diners、Discover)か3.24%(それ以外のクレジットカード、楽天JCBカード、QRコード決済)である。これは同種のサービスである米スクエアの「Square」や、リクルートグループの「Airペイ」(関連記事:リクルートがモバイル決済「Airペイ」強化、1万9800円の端末でJCBやSuicaにも対応)などとほぼ横並びの低水準になっている。

 低い手数料率は店舗にとってメリットが大きいが、楽天にとっては激しい競争環境で収益性を高めにくい面がある。実際、楽天が2012年12月に楽天ペイ(旧称楽天スマートペイ)を始めた当時の手数料率は4.9%だった(関連記事:楽天がカード決済端末に参入、2980円の読み取り機を直販)。だが、その後の競争の激化で引き下げている。

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