ここからは、Slackの活用ノウハウについて解説する。まず、コミュニケーション基盤としての使い方を見ていこう。

 Slackは自由度が高いため、野放図な利用になりがちだ。ユーザーが勝手に次々とチャンネルや連携ツールを増やし、管理者が管理できない状態に陥る危険性もある。ただ、制約を強めすぎると利用されないコミュニケーションツールになってしまう。

 自由な活用と企業としての管理を両立させるため、サーバーワークスは次のようなルールやガイドラインを設定してSlackを利用している(図1)。

図1●利用の活性化を狙ったルールやガイドライン
図1●利用の活性化を狙ったルールやガイドライン
Slackのチャンネルが「便利」で「規律ある」状況を保つためにいくつかのルールを設定した
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 一つめは、チャンネルの運用ルールだ。チャンネルは社員であれば自由に作成できる。作成するチャンネルは原則オープンにする。誰でも参加できるようにし、活発なコミュニケーションを生み出す。なお、経営に関することなど、非公開にしたい話題には「プライベートグループ」を作成すればよい。プライベートグループでは、当該グループ内のメンバーしか情報が共有されない。

 何のチャンネルかを分かりやすくするため、命名規則を設けている。例えば、xx部メンバー連絡用は「#div-xx」、yy課メンバー連絡用は「#dept-yy」、zz案件メンバー連絡用は「#prj-zz」というチャンネル名にする。チャンネルに明快な名前を付けると、話題に応じてどこでコミュニケーションを取ればいいのか分かりやすいし、かつ今どの議題を話しているのかも分かりやすい。

 会社の重要なアナウンスを行うチャンネルなど、いくつかのチャンネルは全員参加にしている。管理者の設定で、サインアップしたユーザーを強制的に指定したチャンネルに加えられる。

 チャンネルの作成、参加について、管理者がユーザーの権限を設定できる。Slackにはチャンネルを自由に作成できる「フルメンバー」、管理者が指定した複数のチャンネルだけに参加できる「制限付きユーザー」、管理者が指定した一つのチャンネルだけに参加できる「シングルチャンネルゲスト」の三つがある。サーバーワークス社員はフルメンバーの権限にしている。

 プロジェクトには社外のメンバーが参加する場合もある。その際は、制限付きユーザー、シングルチャンネルゲストを利用する。業務委託社員や派遣社員などの一時的なメンバーは制限付きユーザーに設定する。取引先のユーザーをSlackに招待したい場合はシングルチャンネルゲストを使う。

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