インテルとAMDが相次いで、普及帯向けにマルチコアCPUを投入するようになった。2016年までは、普及帯向けといっても多くて4コア/8スレッドで、薄型モバイルPC向けは2コア/4スレッドが普通だった。だが2017年に入ってからは、この常識が通用しなくなった。
先手を打ったのはAMDで、2017年3月に最大8コア/16スレッドの「Ryzen 7」を投入。やや遅れたがインテルも、10月に6コア/12スレッドの「Core i7-8700K」を投入している。インテルは薄型モバイル向けにも4コア/8スレッドの「Core i7-8650U/8550U」を投入しており、AMDも2018年初にはこれに追従すると見られている。
普及帯のもっと上、パワーユーザーなどの「エンスージャスト」向けとなると、インテルがまず10コア/20スレッドの「Core i9-7900X」を7月に発売。8月にはAMDが16コア/32スレッドの「Ryzen ThreadRipper」を投入、10月にインテルが18コア/36スレッドの「Core i9-7980XE」でこれに応酬するという、まるでコアの数を競うがごとき状況になっている。なぜこのような状況になったのかを、まずはご説明したい。