コンペの翌日にも喧嘩したプロマネの宇佐木さんとSEの虎岡さんですが、喫茶店と飲み屋でしっかりと話し合い、今後のプレゼンや企画書についてもっとしっかり検討する方針に決まりました。とはいえ、宇佐木さんのことですから、その気持ちがいつまで続くかはわかりません……。

SE虎岡 昨日、あれから考えてみたんだ。ウサさんのスライドって、白地に黒い文字でイラストがほとんどないし、あれを読んでるだけ。それが良くないんじゃないかな。

宇佐木 何を言ったかわかりやすくない?

SE虎岡 話してる内容と、スライドの内容が同じだから、話している内容はわかりやすい。でも言い方を変えれば、スライドの文字を読めば話を聞かなくてもいい、とも言えるよ。

宇佐木 話は聞いて欲しいなあ。

SE虎岡 美術館の一番右端の人も、スライドが変わるたびにチラッとは見てたんだよね。そこで文字を読んじゃうから、話を聞かないんじゃないかな。

宇佐木 そうなのかなあ。

SE虎岡 前に、PGの島田さんが入ったばかりの頃、うちのシステムの概要を教えるのにプレゼン資料見ておいてって言ったんだけど、その時にスライド見ながら「これで仕事って取れるんですか?」って言ってたよ。一般的なプレゼンからすると、ダメなスライドなんだよ。

宇佐木 島田さんも言うねぇ……。まあ、文字しかないし、おしゃれじゃないしね。

SE虎岡 おしゃれはともかくとして、原稿と同じなのはマズイよ。

宇佐木 でも、どういうスライドを作ればいいのか。絵だけじゃ間が持たないし。

SE虎岡 絵だけでいいんじゃないかなあ。ジョブズのプレゼンとか、スクリーンに文字をあまり使っていないイメージだよ。

宇佐木 ウチはシステム会社だから、現物がないよ。iMacみたいにカラフルでもないし。絵だけじゃ変だし、何の絵をスライドにすればいいかわからない。

SE虎岡 入力画面が使いやすいのが売りだから、そこをもっと見せていいんじゃないか。今回みたいなデザイン系なら、細かい部分を説明してもいいし。

宇佐木 企画書をそのままスライドにするのはどう?

SE虎岡 企画書も宇佐木さんが作ってるんだから、文字ばっかりだよ。とりあえず、鹿野君に本を買ってきてもらおう。それから考えよう。

図23-1 本当にこれで勝てるんですか?
図23-1 本当にこれで勝てるんですか?
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 プレゼン用のスライドを作る時に、宇佐木さんのようにただ原稿の内容を文字で書いただけのものを作っても、効果がありません。 プレゼンターの言葉を理解しやすくするというメリットはあります。ですが、聴覚と視覚という二つのチャンネルが使えるにもかかわらず、生かされていません。

 では、どのようなスライドが良いのでしょうか。

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