宇佐木さんと虎岡さんは、ついに厄介な顧客であるドクノカワ商会の鳥蕪戸さんとの会議の日を迎えました。予定していた時間よりも1時間前に訪ねる約束をし、鳥蕪戸さんに契約についてもう一度確認。その後、鹿野君と鳥蕪戸さんの部下大橋さんを交え、システム構築に関する会議が始まりました。

 

鳥蕪戸:それでね、zoozoo社さん(宇佐木 さんと虎岡さんの働いている会社)の仕事がずさんだから、僕は代わりに図を描いてきてあげたんですよ!

SE虎岡:……。

宇佐木 :あ、ありがとうございます。助かります…。

鳥蕪戸:入力はこういう画面がいいと思うわけ。大体、あなた方のご提案は、使い手のことを考えてないと思うわけ。プロなんだからもうちょっとらしい提案をね!

宇佐木 :……すいません。

SE虎岡:(さっきは、分かったって言ってくれたのになあ…。今日決めるべき話はこれじゃないんだけどなあ…)

鳥蕪戸:僕のことをね、素人だと思ってもらっちゃこまるんですよ。たしかにね、仕事はITじゃないですよ!でもね、家でも仕事でもパソコンについては詳しいつもりです。あなた方は、うまく仕事を進めようと思ってるかもしれないけどね!他の人はそれで騙されるのかもしれないけどね!

宇佐木 :は、はあ。よ、よくできた図ですね。

鳥蕪戸:僕ね、こういうのは得意なんですよ。パワポで作ったんですけどね!

宇佐木 :パワポは良く使われるんですか?

鳥蕪戸:社内のプレゼンなんかにも使ってます。最近の若い人はパワポ使えなくて本当に困るんですよ。

宇佐木 :弊社だと、パワポは若い人の方が得意なイメージですけど…。

鳥蕪戸:ウチは全然ダメ。プレゼンってものが分かってないと思うわけ。

宇佐木 :そうですか。

SE虎岡 ……ええと、ナビのメニューは、右側なんですね。まあ、こちらの方がクリックはしやすいですよね。

鳥蕪戸 僕ね、人間の目線は、左から右に流れるから、左には重要なコンテンツを置くべきだと思うわけ。ナビって、そんなに重要じゃないじゃない?御社が見せてくれたサンプルだと、ナビは左側だったけど、ああいうのって、どうかと思うわけ。やっぱり、左側には重要なコンテンツ置かないと。

SE虎岡:ナビも結構重要だと思うんですが…。

鳥蕪戸:虎岡さんね、分かってないよ。ナビはね、あくまでコンテンツのオマケなの。ナビをやたら左に置きたがる人って、いるけど、主客転倒だと思うわけ。もうちょっとヒューマンファクターを学んで、コンテンツをコンストラクションしなくちゃ。ヒューマンエラーっていうのはね、ヒューマンファクターを(以下略。15分間この話題続く)

宇佐木 :そうすると、このコンテンツは左下辺りが良いでしょうか。

SE虎岡:座りが良いのはその辺でしょうね。

鳥蕪戸:ふーん。どうしようかなあ。そういえば、ウチの倉庫システムの情報を連動したいんだけど。

SE虎岡:倉庫システムと言いますと?

鳥蕪戸:アクアリ社っていう地元のシステム会社に作って貰った倉庫のシステムがあるんだけど、その情報と連動したいんだよね。

SE虎岡:それはアクアリ社的には、問題はないんですか?

鳥蕪戸:ウチが発注して作らせたんだから、問題なんかあるわけないと思うけど。御社では、技術的にできるの?できないならアクアリ社に参加してもらってやることになるけど。

SE虎岡:ええと、どういうシステムかとか、どのデータかとか、見ないことにはなんとも…。

鳥蕪戸:じゃあ、大橋君、システム見てもらって。

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