SEの虎岡さんに会議が多すぎると叱られたプロマネの宇佐木さん。宇佐木さんは、お気楽に会議に出席するだけなので、ダラダラと無駄な会議が多いのです。宇佐木さんは、うまく会議をやっているつもりですが、周りからはそう見えないようです。
宇佐木 : トラちゃん、さっきあれだけ「会議が多すぎる」って怒ったくせに。また会議なの?
SE虎岡 : 会議っていうか話し合いね。スケジュールを整理しよう。
宇佐木 : 「会議についての会議」なのに、鹿野君呼ばなくて良いの?
SE虎岡 : 二人で済むことは二人でいいんだよ!鹿野君には、必要な時だけSkypeで聞けば良いよ。そうやって、関係ない人まで呼ぼうとするから、皆に迷惑なんだよ。ウサさんもそろそろ自覚してよ!
宇佐木 : そうだね…。
SE虎岡 : まず、さっき話した通り、会議の目的はちゃんと絞ろう。「何を決めるのか」「何を共有するのか」はっきりさせよう。
宇佐木 : たしかに曖昧だったね。
SE虎岡 : 目的は、後で二人で確認しよう。あと、この日とこの日、両方ともデザイナーの蕨山さんとの打ち合わせになってるけど、一回にできないの?
宇佐木 : できるね。
SE虎岡 : できるならしてよ。28日と3日も被ってる。外注の在塚さんと打ち合わせみたいだけど。
宇佐木 : それは無理。28日は科学館の件で、3日は博物館の件なんだよね。
SE虎岡 : 両方一緒に打ち合わせれば?
宇佐木 : 時間が長くなっちゃって気の毒だよ。
SE虎岡 : 二回出てくる方が大変だと思うけど。在塚さんって郊外に住んでいるから、ここまで来るのは負担なんじゃない?
宇佐木 : そうだねぇ。
SE虎岡 : ひとまず、在塚さん本人に、一日で済ませた方が良いのか、二日の方が良いのか聞いてみよう。あと、ウサさんの会議はダラダラ長いから…。
宇佐木 : あ、うん。短くするように頑張る。頑張れば、一件あたり3時間にはできると思う。
SE虎岡 : たぶん、他の人がやったら1時間で十分な内容だから、2時間くらいにするように頑張ってよ。それから、荒川さんも22日と26日に二回来てもらうんでしょ?
宇佐木 : うん。荒川さんの事務所はここから近いから。
SE虎岡 : そういう問題じゃないから、荒川さんにもどっちが良いのか聞いてみてよ。
宇佐木 : でも、無理だと思うよ。だって、22日は科学館で、26日は博物館の件だけど、22日に博物館の資料なんて、できてないもん。先方からの連絡が24日にあるはずだし。
SE虎岡 : だったら26日に両方できないの?22日に科学館は必須なの?
宇佐木 : 必須じゃないから26日でいいよ。
SE虎岡 : じゃあ、26日で。まだまだ道のりは長そうだなあ…。
宇佐木 : そお…?あ、打ち合わせがあるなら、僕ネットでおやつを取り寄せなくっちゃ。仙台の「支倉焼」とかいうのを食べてみたいんだよねぇ…。
SE虎岡 : ……。
虎岡さんは、あまりにひどい宇佐木さんのスケジューリングに対し、口を出して整理することに決めたようですね。宇佐木さんのような人は自分で解決できないので、賢いやり方です。
二人の話し合いからすると、「同じメンバーが集まる会議」が、短期間に複数回開かれていたり、一回の会議がダラダラとして、外注さんの負担になっているなど、問題の多いことが分かります。
また、この「会議のための会議」に、いなくてもいい鹿野君を呼ぼうとしています。闇雲に人を集めたがり、頻繁に会議を開きたがるのが、「会議をしていると仕事している気分になる人達」の特徴です。試験前に机の上を片づけることで、「何かをした気になる」のとよく似ています。机をきれいにすることは勉強に役立ちますが、勉強そのものが進んだわけではありません。
そうです。会議を連発しても、負担が大きい割に仕事は進まないのです。
「合意」「決定」「情報共有」は重要なことですが、あくまでスタートでしかありません。決定したことをベースに作成を始めないと、納品までの道のりは縮まりません。適当な会議は、プロジェクトを進めるどころか、足を引っ張っているのです。