たった2つのKPIで店舗運営の効率を高めたラコステ ジャパン。店員管理システムがはじき出すKPIはどのようにオペレーションに活用されているのだろうか。日比谷店(東京・千代田)の模様を具体的に見てみよう。
日比谷店はラコステ Japanのなかでも特に売上高が大きい。この店舗は道路を挟んで向かい側に高級ホテルのザ・ペニンシュラ東京がある。銀座にも近いことから、富裕層の来店客が多い。実際、客単価は全店で最も高い。そのため、富裕層を満足させられる高い接客レベルが求められる。店員の数はポロシャツが最も売れる夏場で7人(アルバイトは除く)。取材に訪れた春先は同6人だ。
KPIで店舗の評価が決まる
日比谷店の大矢健人店長は既に約1年、新システムを使ってきた。それまではエクセルで店員のシフト管理をしていたことを考えると、店舗運営は大きく変わったといえる。
成果は著しい。直近の2016年1月はSPHが前年同月比16.4%増、SOTが同16.1%増と好調だ。2015年11月から2016年1月までの3カ月で見ても、SOTこそ7.9%増にとどまるが、SPHは実に26.7%増と大幅に伸びている。このKPIの上昇が店長の評価に直結する。
WINWORKS Oneを使ううえで、店舗には欠かせない条件がある。それは来店客数を正確にカウントできる仕組みを備えていることだ。
というのも、この店員管理システムの肝は「過去のトラフィックの履歴から将来の来店客数を予測し、それに合わせて人員配置を最適化することにあるからだ」。システムを導入した営業部/リテールの勝又泰史リテールオペレーションズスペシャリスト(既に退職)はこう説明する。