マイナンバー制度が2016年1月に本格始動して以来、トラブルが後を絶たない。マイナンバーカードの「カード管理システム」で相次ぎ障害が発生、カードの申請件数はピーク時の10分の1に減少している。カード発行の問題は収束しつつあるが、自治体のセキュリティ対策、税や社会保障との情報連携にも暗雲が立ち込める。なぜマイナンバーに関わるトラブルは後を絶たないのか。問題の深層に迫る。

マイナンバー、トラブル続出の深層
目次
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part3 仕様のオープン化を急げ
マイナンバーに関わるシステムトラブルを回避できたとしても、マイナンバーカードをはじめとする仕組みが普及しないと十分な効果が得られない。そのために政府がすべきなのは、技術や仕様をオープンにすることだ。
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part2 根本原因はガバナンス欠如
マイナンバー制度に絡むシステムの問題は、依然として残っている。行政事務の効率化の要となる情報連携は、当初予定より半年以上遅れる見通しだ。根本原因は、制度全体に関するガバナンスの欠如にある。
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part1 振り回される全国自治体
マイナンバーカード管理システムの障害は、制度の出鼻をくじいた。全国の自治体の端末を操作できなくなるトラブルが2016年1~3月に断続的に発生。来庁者にカードを交付できず、自治体がカード交付通知を手控えるなどの事態となった。自治体で情報連携が始まる2017年7月までにセキュリティ強化が間に合うかも大…