前回紹介したように、海外のBtoBマーケティングの現場では、主にWebサイトから獲得したリード(見込み客情報)の契約確度をスコアリング(得点化)するサービスが常識化してきています。
契約確度をスコアリングするサービスは、Webサイトから問い合わせや資料請求が発生した際に、その案件がどのくらい契約に結びつきそうなものかを過去の営業実績を元に機械的に予測します。これは従来、人間による経験則に基づいた判断よりも効率的で合理的といえるでしょう。
この流れを後押しするように、もっと高度な予測スコアリングを実現させるために取り入れているのが、「ABM(アカウントベースドマーケティング)」という考え方と「Intent Data(インテントデータ)」の活用です。
ABMとは個人ではなく組織(アカウント)単位でリードを捉えて、最適に営業やマーケティングアプローチをしようという考え方です。インテントデータとはWeb上でリードがどのような行動を取っているか、より詳細に表現したデータのことです。この二つを取り入れることで、従来とは異なる視点でのリード解析が可能となり、より効果的な予測を実現できるになります。
今回は予測スコアリングがどのように進化しているか、そしてABMの考え方やインテントデータを活用することが、どのような可能性を秘めているかについて、Lattice Engines社の「Lattice」というサービスを紹介しながらお話ししたいと思います。
予測スコアリングされるべきは個人ではなく組織
まず、BtoB現場における予測スコアリングを突き詰めてみましょう。すると、個人単位のリードをスコアリングしても効率性はよくないという現実にぶつかります。
例えば、ある会社の社員AさんがBtoB商品αに興味を持ったとしましょう。Aさんはその商品を紹介しているWebサイトで、商品αのデモを見るために問い合わせフォームから情報を登録したとします。
社員Aさんは商品αについて社内で共有します。その話を聞いた上司のBさんは、同日に同じようにWebサイトを見て、商品説明のセミナーに出席するためにフォームから情報を登録しました。